【リノベ】ブルックリンスタイルの本質を感じる男の隠れ家
2020年竣工/株式会社 杜ノ輝
■リノベーション ■ブルックリンスタイル ■応接室兼ショールーム
杜ノ輝の事務所は実は2階建て。1階は執務室や応接室があるためその都度リノベーションしていましたが、ようやく2階フロアに手を付けることができました。
リノベーションの方向性を決めるにあたり、普段お客様のご要望を叶えることに集中しているため、実は自分たちの好みを主体的に表現する機会がなかったことに気づかされました。
そこで今回は、がっつり男性目線の「男の隠れ家」をテーマにリノベーションしました。
それがこちら!
■BEFORE
築50年越えと聞いていましたが、リノベーション前の状態は、さすがに1階とは雰囲気が全然違いました。
◆大胆だけどカッコいい!男前ブラックキッチン
まずはキッチン。
表面はデザインコンクリートの一種、薄く塗ってコンクリートの打ちっぱなし風に仕上げるMPC加工を施しました。カラーは思い切ってブラックをチョイス。
MPC加工は元々ガレージなど強度を必要とする床などに用いる技術ですが、水分をはじいてくれるので、水回りにはうってつけの技術。テーブルの天板のように拭くだけできれいになります。
木材の上にも塗れるので、木造住宅でもコンクリート打ちっ放しや、モルタルカウンターのテイストを表現することができます。
◆窓の外を眺めながら寛ぐカウンター
窓際に設置したカウンターも黒のMPC加工で。ペンダントライトでバーの雰囲気を演出しました。
壁一面のブリック調デザインコンクリートはブルックリンスタイルの王道。クリア塗装で光沢を出したOSBボードの床と相性バッチリです。
◆暗さが落ち着く空間に
トイレの壁はデザインコンクリートで大ぶりの石積みを表現。控えめな電球色の照明が落ち着く空間になっています。
■AFTER
■BEFORE
◆リノベーションならでは。古い手仕事が光る梁見せ天井
完成した2階フロアは間仕切りのないワンフロアで、杜ノ輝で開催する講座や、お客様との打ち合わせでリビングなどの広さをイメージしていただくときなどにも役立っています。
部屋に入るとまず天井の小屋組みに目がひきつけられます。
この小屋組みは合掌造り(白川郷の合掌造りとは別物です)といって、例えば倉庫のように柱を使わずに広い空間を作りたいときに用いる工法です。
この建物ができたとき、まだプレカット(工場で柱や梁の接合部まで機械加工して現場でくみ上げる方法)自体がありませんでした。従ってこれは職人さんの手仕事で組まれた小屋組みということになります。
プレカットが主流になった現在は逆に、手仕事でこの小屋組みを組める職人さんはほとんどいらっしゃいません。
既存の天井を張り替えようと解体した時に現れたこの小屋組みですが、状態もよく技術としても貴重なため、急遽予定を変更してこの小屋組みを見せる方向にプラン変更しました。
この建物の歴史を静かに見守ってきた小屋組みの、美しい佇まい。
古いものに味わいを感じ価値を見出すブルックリンスタイルそのものです。
リノベーションしたからこそ出会えた宝物ですね。
リノベーションの様子を動画にまとめましたので、よろしければご覧ください。