vol.96 心の目的地をはっきりさせる
杜ノ輝です!
ご依頼をいただく際、皆さん「こんなおうちにしたい!」というご要望をお持ちです。その要望をお伺いしていかに満足度の高い家をつくるか?が私たちの仕事ですので、プラン作成前のヒアリングは家づくりにおいてとても重要です。
もちろん真剣にお話をお伺いさせていただきますが、その際はちょっとしたコツを意識してお伺いしています。
お客様にとっても、知っておいて損はないことだと思いますので、今回はそのコツについてご紹介しますね。
■大切なのは「なぜ?」
「こんなおうちが欲しいなあ」とイメージされる際、具体的な間取りや設備を思い浮かべることがあります。リビングは広く●畳は欲しい!とか、一部屋は和室にしたい!とかですね。
その際に「なぜリビングが広い方がいいのか」「なぜ和室が必要なのか」という理由を意識していただくことが大切です。
例えば日頃から親戚の集まりやホームパーティーを頻繁に催すご家庭ならば、よく集まる人数などを伺って、それに合わせた広さを確保したいですね。一方窮屈が嫌で開放感が欲しいという理由であれば、ほかのお部屋の間取り、日頃のお掃除の手間や光熱費など総合的に検討して「リビング自体の広さは抑える分、窓を広く取りましょうか?」「勾配天井にしても開放感を感じることができますよ」というご提案になることもあります。和室も、たまのお客様のためならばリビングの一角を畳敷きの小上がりにすれば日常でも有効活用できる空間になるでしょうし、ゆくゆく親御さんとの同居を考えてのことであれば、お互いのプライバシーに加えてお風呂やトイレの動線も検討が必要です。畳ではなく洋間の方がよいのでは?という結論に至ることもあります。
リノベーションも同様ですね。最初のご相談の時点で「なぜその改修をしたいと思ったのか」「何が不便で気になっているのか」についてお話してくださると、ご提案内容が変わってくることがあります。そしてそれを伺うことで、お客様の満足度が格段に変わることがあるのです。
■プロの経験値を引き出そう
私たちにはノウハウがあります。たくさんの物件を扱ってきた経験値もあります。
「その理由で改修をされたいのならば、きっとこれも必要だろう」「逆にこれは必要ないかもしれない」そのようなお話までさせていただいたうえで、お客様の納得いく工事にしたいのです。
私ども作り手側から見ても「その理由でご依頼されたのなら、同じ予算でも違う方法を取った方がもっとよい仕上がりになったのに」と施工後に判明するのは悲しいことです。
「なぜそのようにしたいのか」「どうなってほしいのか」という「心の目的地」をまずご自身で明確にされること、それをプランナーにもお伝えいただくこと。
私どもの「ヒアリング力」や「信頼してご相談いただける姿勢」を日々磨いてゆかなくては!というお話でもあるのですが、お客様から「なぜそれを希望しているのか」というところまで情報提供いただくと、プロの引き出しが開きやすくなりますよ、というお話でした。