プロフィール |空間デザイン 杜ノ輝 | 鹿児島県薩摩川内市
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プロフィール

私の子どものころの家

私が今の仕事をするきっかけとなったのは、小さいときに住んでいた家にあります。それは35年前の話です。

当時住んでいた家は、私の祖父が古材を集めて造った家で、木造の2階建てで外壁はトタン貼り、部屋も薄いべニアを貼った雨風がしのげればいいと言う感じの家でした。

夏は蒸し風呂のように暑く、冬は水も凍るくらい寒い。
しかも、日当たりをよくするために西側に大きな窓を付けているから、夏は西日が入り、夜は毎日のように熱帯夜です。
(冬はぽかぽかして気持ちいいのですが)

しかし、その頃は私も小さかったので、これが普通なのかなと思っていた記憶があります。

私が家を意識し始めたのは、中学生になったときのことです。その頃になると友達が自分の部屋を持ち始め、友達の家に遊びに行くと、部屋には机・ベッド・本棚といった、子供の頃の私には夢のような空間が広がっているのです。

当時私は自分の部屋がなく、縁側に机を置かれ、寝るときは家族みんなで同じ部屋で寝ていました。
思春期の私は、どうしても自分の部屋が欲しくて、自分でカーテンや本棚で仕切りをつくったりしていました。

この頃くらいでしょうか。私が新聞に入ってくる家のチラシを見て、「こんな部屋がいいな」「こんな家に住んでみないな」と想像するようになったのは。

丁度、高校受験もあり、進路を考えなくてはならない時期でした。私は将来の目標を「自分の家を自分で建てる」と決め、
その後は建築を学ぶべく、地元のれいめい高校の建築科に入学しました。

 

ついに念願の「自分の部屋」が!

そして、私が高校3年生の3学期のことです。
今まで住んでいた家を、リフォームすることになりました。
そのリフォームで、私の念願だった自分の部屋が出来るということでとても喜びました。

しかし、すぐに残念なことに気が付きます。
私は就職で東京の会社に行くことが決まっており、3月末には上京しなくてはいけなかったのです。
工事が始まったのは2月中旬。どうにか、上京する前に自分の部屋を見ておきたいと思い、大工さんの手伝いを一生懸命にしましたが、3月末になっても完成することができず、結局自分の部屋を見ることなく上京しました。

完成した私の部屋を母が写真で送ってくれ、その写真を見たときにホームシックになったのを覚えています。
正月前になると、ようやく自分の部屋が見られるという思いで帰省したのですが、念願の自分の部屋を見ても実家に帰ってきた気が全くしなかったのです。うれしいはずなのに、なんだか寂しさを感じました。

それは、帰ってきた家に自分が住んでいたときの面影がなくなっていたからです。
自分の家なのに、自分の居場所がないような気がして、帰省しているのに、ほとんど家には居ませんでした。

今考えると、リフォームしてきれいになった家で、家族と一緒に過ごしていなかったので、自分の居場所が見つからなかったのではないかと思います。家がきれいになっても、寂しい思いをすることがあるということを体験をさせられました。

 

 

 

東京からUターン。
そして気づいた家づくりの二面性

それから、私は目標に近づくため、22歳のときに地元川内に戻り、某大手ローコスト住宅メーカーに就職し、家づくりを専門でするようにしました。

この住宅会社では、技術面・法律・保証など、家づくりで必要な基本的なことを学ぶことができました。
ただ、大手会社なので部署移動もあり、営業を経験した時期がありました。営業の仕事をしているうちに、私はあることに気が付きます。それは、お客様の考えと会社の考え、二通りあるということです。

お客様は、自分たち家族がこれから新しい家で「幸せになるんだ」という思いで家づくりをしているのに対して、会社はたくさんの家を建てて利益を出さなければいけないという考えがあるのです。

確かに、会社は利益を出して存続することは当たりまえかもしれませんが、家を建てる感覚が「早くて簡単にできる方法」とか、「誰が造っても簡単に造れる方法」など、いかにたくさん造ることが出来るかという考えが大きいのでは、と疑問を覚えました。特に大きな会社ほど、その様な傾向があると感じました。

しかし、お客様にとってこんなことは全く関係ないのです。
「自分たちが幸せになるために建てるのだから。」

私は、このような疑問から本当の家づくりってなんだろうと思うようになりました。
そして、「本当にいい家とは」ということを真剣に考え、地元工務店に再就職し、家づくりを一から見直し、どんな工法で、どんな材料を使い建てればいいのか研究しました。

 

お客様もつくり手も
心から満足していただける家づくり

お陰様で、住む人にやさしい家づくりの方法を見つけることができ、また見た目のデザイン性にもこだわった家づくりをご提供できるようになりました。

家を建ててそこに住むのには、きっと、「楽しい人生を送りたい!」「家族みんなで楽しく過ごしたい!」という思いがあると思います。

これまでにいろいろなお客様の家を建てさせていただいて気付いたことは、楽しんで建てた家は、非常に出来がいい!ということ、そして、お客様の満足の度合いが凄いということです。

このような経験もあり、お客様には計画の段階から楽しんでいただき、造っているときも楽しんでいただきたい。
そして、その家でさらに楽しい暮らしをしていただきたいと思っています。

私の会社のコンセプトは、「楽しく作る」「楽しく暮らす」です。
人生いろいろなことがあります。それでも、「どう楽しむか」「どうやって楽しめるか」が大切ではないでしょうか。

楽しく家づくりをするために、
“ぬくもりのあるひかり”があなたを照らせるように。
このご縁を大切に、私も楽しみながら頑張ります。

長い自己紹介をお読みいただき、ありがとうございました。